そんな時、



「ってか!…今何時よ…!?
あいつらまだ来ないの!?」




思い出したかの様に風間が自分のケータイを取り出す。




「はぁ?知らねーし
ってか時計なら、あそこにあるだろー?」



そんな風間を見ていた十町は、壁に掛かっている掛け時計を指差した。




そして、


「あ…?…あの時計、
…止まってんじゃん…」




「はぁ…?…

さっきまでは動いてたわよ?」





十町の指差す方向に目をやると、


確かにそこにある時計は止まっていた。





つい、さっきまでは動いていたはずなのに。






「ね、ねぇっ!」



そんな時、時間を見ようとケータイを開いた風間が突然大声をあげた。




『…どうした風間?』




彼女には珍しい大声を出すものだから、俺は少し驚いて彼女を向く。





「…ケータイ…電源入んないんだけど…」






「はぁー?
充電切れたんじゃねーの?」







「違うわよっ!
……さっき充電したばっかりだもの!」






俯き、微かに震える風間の声に十町は慌てて自分のケータイを開く。





「………はぁ!?


……俺のも電源はいんねぇし!」