「「ルール……説明…?」」
開いたメールを覗き込む二人は題名の欄に書かれたその、意味のわからない言葉を読み上げた。
さすがの俺でも、こうも非現実的な言葉ばかりを並べ立てられると少し気分が悪くなる。
溜息を一つつき、
削除しようとした俺の手を止めたのは十町だった。
「まぁまぁ、消す前にさ。なんて書いてあるか見て見ようぜ?
こんな精神のイカレた馬鹿の考える事だぜ。
興味ねーのかよ?」
面白がる十町は俺からケータイを取ると画面をスクロールしていく。
「ちょっと!気持ち悪いんだからそんなメール無視しなさいよ!」
慌てる風間の言葉など、十町は気にも留めず、ケラケラと笑うだけだ。
しかし、
ケータイに目を向けていた十町の表情がいきなり強張った。
『どうした?…十町?』
俺が十町に尋ねると、
十町は画面を見つめたまま呟いた。
「これ…見てみろよ……」
呟かれたその声は、普段の余裕に溢れ、人を茶化したような声ではなくて。
俺と風間は画面を覗き込んだ。
――――――
君達にはこれから
戦争、そう。人殺しをしてもらう。
君達はコレを本気だとは思っていないようだね。
しかし残念ながら、
これは現実だ。
――――――
書かれていた最初の文は、
俺達高校生には
あまりにも似合わない言葉だった。

