一瞬、
何が起きたかわからなかった。
俺は確かに、生徒会室のドアを開けて。
そこにはいつも通り、
各委員会の委員長達が、やる気の無い顔で座っているはずだったのに。
その部屋には誰もいなかったのだ。
『……?…なんだ?』
しかも誰もいないだけでなく、
いつもと同じ部屋。
そのはずなのに、
何が違う。
具体的に何処が変わっている訳では無いが、
なんというか。
世界が
違う世界が
その部屋には広がっている気がした。
「どーした神谷ぁ?」
ドアを開けた所で突っ立ったままの俺を不思議に思ったのか、
後ろに立っていた十町が部屋を覗き込む。
『いや……誰もいないんだが……此処であってるんだよな?』
俺の言葉を聞いた風間も
驚いた様に部屋を覗き込む。
「はぁ!?…なんで誰も居ないのよ?」
部屋の中に入り、改めて辺りを見渡す。

