しゅーくんはピクリとも動かない

「そりゃ、アタシだけの片思いだと思う
 でもね、今、飛鳥しか見えないから
 もう、昔じゃないんだ」

気付いたら、涙があふれていた
頭の片隅で、最近はよく泣くなあ、と自分に呆れていた

「ゴメンね、しゅーくん
 友達としてこれから、さいしょからやってみよう」

右手を差し出した
「アタシの名前は、長谷川咲です
 これからよろしくね」
成美クンはしばらくアタシの右手をじっと見て口を開いた
「俺の名前は、成美愁
 よろしくな」
笑顔でアタシを見てくれた
思わずアタシも笑顔になった