「おはよう」

そう笑顔で言っている彼を見れば、

普通の女子はイチコロだ

でもアタシはそうじゃない

「・・・おはよう」

無愛想に返すだけ

可愛くないヤツだ

「ほら、咲迎えに来てくれてるんだから、ちゃんと挨拶しないと」

お母さんはアタシを注意するけど

「いいんです、咲さんも眠いだろうし」

飛鳥はアタシを表の顔でカバーする

「じゃあ、咲、行こうか」

満面の笑みでそう言ってくる飛鳥は、

昨日と同一人物には思えない

二重人格なんだ

「あ、うん」

そうして、アタシと飛鳥は玄関を出た