「だけど、なんであそこに向かうんだ。
あそこは、機械の部品工場だったのに」
クルルが訝しげに首を傾げる中で、先いく彼がいきなり横の壁に飛び乗った。
「行けば分かる」
彼はそれだけを告げて、雀を追い掛ける速度を上げた。
チェストとクルルも鸚哥伝いに彼を追い掛けたが、まったく追いつく気配がない。
息を切らして目的地までの距離を走れば、そこには雀も彼も居なかった。
二人は顔を見合わせた。
鸚哥のピアが誘導を間違えているとは思えずに、がらんとした工場を恐る恐ると歩き廻る。
ピアが倉庫の前で旋回し二人を導く。
倉庫の扉の隙間から中を覗いたチェストが、声も上げずに尻餅を着いた。
クルルも扉の中に目を向けて、乾いた笑みを漏らすと妹の名前を叫び倉庫へと踏み込んだ。
倉庫に並べられていたのは、妹、ルミアに良く似た人間達が眠る透明な棺だった。
「なんだよ、なんなんだよこれえっ」
「落ち着くっすよ」
ルミアを助けようと側にあったモップの枝で棺を割に掛かるクルルを取り押さえて、チェストは言った。
「どうやって、落ち着くんだよ。
意味分かんねえっ」
あそこは、機械の部品工場だったのに」
クルルが訝しげに首を傾げる中で、先いく彼がいきなり横の壁に飛び乗った。
「行けば分かる」
彼はそれだけを告げて、雀を追い掛ける速度を上げた。
チェストとクルルも鸚哥伝いに彼を追い掛けたが、まったく追いつく気配がない。
息を切らして目的地までの距離を走れば、そこには雀も彼も居なかった。
二人は顔を見合わせた。
鸚哥のピアが誘導を間違えているとは思えずに、がらんとした工場を恐る恐ると歩き廻る。
ピアが倉庫の前で旋回し二人を導く。
倉庫の扉の隙間から中を覗いたチェストが、声も上げずに尻餅を着いた。
クルルも扉の中に目を向けて、乾いた笑みを漏らすと妹の名前を叫び倉庫へと踏み込んだ。
倉庫に並べられていたのは、妹、ルミアに良く似た人間達が眠る透明な棺だった。
「なんだよ、なんなんだよこれえっ」
「落ち着くっすよ」
ルミアを助けようと側にあったモップの枝で棺を割に掛かるクルルを取り押さえて、チェストは言った。
「どうやって、落ち着くんだよ。
意味分かんねえっ」
