言葉を聞けばヴォルラスも苦笑い、サーベルに似た細い刀身でDMの身体を切り刻む。

 溢れた血に、躊躇いが生まれるその先で痛みを覚えた敵の叫び声が轟く。

 再生能力は、蜥蜴のものを促進させたものだろう。

 あからさまに、その再生を目にしたヴォルラスは悪寒を感じる。

 出張前にも父親から触りを聞いていたが、まさか、ラプラス団の調査をしていてDMにぶつかるとは思ってもいなかったのである。

 しかも、鳥籠状態の町で人数も限られている。

「私達でやりましょう。
 外から人が来るとは思えません」

 ヴォルラスがペシェに言う。

 破壊音の先で、蒼瞳の種師神官は苦笑い頷いた。すかさず、ヴォルラスは教会への案内を申し出る。DMを凪払い、ペシェは目線でヴォルラスを誘導する。

 二人のいる場所から教会まで走り抜け、半開きの扉から中へとはいる。

 祭壇とステンドグラスがヴォルラス目を引いた。

「本当に、此処に市民が拉致されたのですか」

 ペシェの信用しきれていない質問に、ヴォルラスは急ぐように目線を這わせた。

 DMの気配は無い。
 ほかに人の気配も無いようだ。

 ヴォルラスも、話に聞いただけで自信はない。