「私はペシェ・ローズ。
 神官軍の副隊長をしている者です。
 あなたは、政府軍のカルシス様の御子息ですね」

 無言のヴォルラスに対して、ペシェはそう告げる。

 その折りにもDMの気配が炎の中に集まる。

「だとすれば、どうしたと言うのですか。
 市民が悪党に拉致されています。
 あたなと口論している暇はありません」

「確かにそうです。
 しかしながら、如何なる理由があろうと、政府関係者を敷地内に入れることはできません。
 ましてや、今宵の事態です。
 速やかにバロックスを出ていただきたい」

 DMが吼えて二人に襲いかかって来る。

 ペシェの放つ闇の刃とヴォルラスが抜いたレイラが、それらの動きを止めたが一時的な足止めでしかない。

「これらの暴走原因はお分かりですか」

「未だ以て原因不明、核を破壊するために我々は動いています」

「成る程、核はこれらの中に混じっているのですか」

 ヴォルラスはDMを押しのけて聞き返す。

 しかし、力の差は歴然としていた。

 押しのけてきた矢先から踏みとどまって、群がって来る。


「政府と組とは不本意ですが、仕方ありませんね。
 核がどれかなど私達にはわかりません、手当たり次第に壊すしかない」