彼は面倒くさそうに溜め息を吐き、足を組む。

 そんな彼の目に飛び込んできたのは、ぎりぎり人間の姿をした化け物であった。

「あれが、神官の作り出した量産型兵器、DMと言う代物です」

 コクリートの説明ににわかに眉を顰め、彼は生返事を返した。

 彼とて知らない分けではない。

 ドラゴンミリオン。略してDMは、彼を仕留める為に作られた代物である。

 彼の様子にコクリートは説明を省いて口を開く。

「プロトDの姿は確認されておりません。
 奴らは神官側の仮り施設から排出されている、というところまでは此方の調査で分かっています」

「それで、せめて奴らだけでも鎮圧しろってことか」
 
「はい、このままでは我々の部隊も危ういわけです」

 プロトDは、DMシリーズの初期版で十体存在し、その内の一体が監獄島の監獄から抜けだし大陸の悪党と連んでいる。

「何体居るんだ、あの化け物」

 映像に映る、野獣と爬虫類を掛け合わせた存在にひきつり笑いを隠せないまま彼は聞いていた。

「ざっと、五千体を確認しております。陣地内にも強力なものが存在しているとの報告もあります」

「政府軍の兵士数はどれくらいだ」