ロデオ・カルテット─シールドロック─鳥籠編

 コクリートは、わかっていますと仰々しく頷いて、彼の前へと歩み寄り壁へと指を差した。

 壁に映し出されたのは、街の様子である。

 この大陸では、映像開発禁止令と言う妙な法律があった。

 それもその筈、神に与えられた未知なる力を持ってすれば、街の様子から結界の中までを透視及び観覧できてしまうのである。

 そのために、わざわざ機械技術にせいを出す理由もないのであるが、実際、その命を下した事実として上げられるのが電信柱等の通信機能を設置する費用を、大陸政府がケチった為だと言われている。


「街の片隅は神官の種術(シュジュツ)により、この有り様です。
 人民も多く負傷し、今の我々の勢力では太刀打ちできないところまできております。
 そこで、監獄島に問い合わせ神であるあなた様の力を借りたいと、この街へ誘導させて頂きました」

 彼は、コクリートの説明に不満げな顔を見せた。

 島の名が上がったことに、最初から計算された道筋だったことに気付いたのである。

「先導を切ったのは変態博士だな」

「変態、かは分かりかねますが、博士と名乗っておりました」

 苛立つ彼の表情にコクリートが一瞬たじろぐ。