「盗賊が神官の味方か、幾ら積まれた」

 彼の口元がふいに歪む。

「バックアップ」


 その言葉を掻き消すように、副と呼ばれた人間が種を発動させる。

 盗賊七名が、放たれた水鼠にひっかき回されて、昏倒する。

 そんな彼らから、手際良く武器や金品を取り上げる彼に、連れの副は些か目線を逸らす。

「路銀は確保できただろ」

「あ、ちょっと待ってくださいよ。
この人たちどうするんですか」

 言うなり歩き始めた彼の後を、慌てるように副と呼ばれた人間は追い始めた。