「今開けようとしてるのは、DMの生産技術課程だったね」

「あなた方の目的は、それだったんですね」

　二人の話を聞いていたリンメイが、我慢しきれずに言葉を発した。

「DMを止める手段を知っているんでしょう。
　答えなさい」

　殺気立つアリトにリンメイが苦渋の笑みを浮かべる。

「生産課程を知ってどうする」

「さあね、それ以降はシュイリ様の御意志。
　私のしるところではないわ」

　アリトの口から漏れた名前にリンメイは益々顔色を変えた。

　ブギルも余裕を消した乾いた笑みを浮かべる。

　シュイリとは、神官を束ねる最高権力を誇った人物である。ラプラス団は、長のパルマを中心にシュイリを陰で支える組織でもあった。

「女種師の事情はわかりました。
　男種師、あなたは一体何をしたいのです」

　警戒心を剥きだして聞いたリンメイにブギルは悪びれなく言った。

「路銀集めの為に、数個の事件を掛け持ちしている詐欺師、そう覚えて頂けると楽だ」

　それに対して、リンメイは目を吊り上げた。

「政府に手を貸しながら生活する神官側の悪党が居ると聞いたことがあったが、あなたのことか」