【完】絶対引力



「…小夜?」


…。

この声を聞いて思い出したさっきの出来事。

伊織…。


「何?」

自分でも分かるほど尖った声。

平常心を保つにはこうするしかなかった。


「ごめん…。見た、よな?」


伊織が聞いてるのはきっとさっきのこと。

あれが私だと分かったらしい。


「何で謝るの?伊織は私の彼氏じゃないんだから。浮気した訳でもないんだし。」


そう、彼氏じゃない。

だから、なんてことない。

あの子が彼女なら普通のこと。