【完】絶対引力



「自分の好きな奴に会いに行くって言ってた。」


「はっ?好きな奴って何っ?あんなにチャラいことしてて好きな奴?意味わかんない…っ!」


女にだらしなくて、付き合って、別れてを繰り返して…。

そんな奴に好きな奴…?


正直、会いにきたのが池上だって知って小夜を会わせたくなくなった。


「落ち着けって。俺もチャラいだけの奴かと思ってたよ。でも、小夜に会って分かった。」


「伊織の今までの彼女、面影あるんだよ。小夜の…。」


えっ…?

面影…?


「顔は小夜の方が可愛いけど、顔のパーツとか…。思い出してみろよ。」