【完】絶対引力



「うん…。」


何故か分からないけど悲しくなった。


「家、行ってみる?今ならいるかも。」


すぐそこだし、と優が指を差しながら言った。

指を差した場所を見るけど正確にはわからない。

それが、すぐそこなのかも怪しいところだ。


「迷惑にならないかな…?」


今更になってそんな不安。

勝手に来て、勝手に会いに行って迷惑になるよね…。


「会いに来たんだろ?ここまで来たんだから行ったほうがいいと思うけど。」


そう言って私の腕を掴み強引に引っ張って歩く。


…涼も優も強引だなぁ…。

でも、心の準備もしてないし会いにいけないよ…。