【完】絶対引力



―――――…。


「…よ…小夜…。」


「ん…?」


体を揺すられていることに気付いて薄目を開ける。


「あと10分くらいで着くよ。」


眠くて目を擦る私ににっこり微笑んだ。


「嘘!?」


ガバッと起き上がって外を見る。


うっわーぁ…。
綺麗!

緑がいっぱいで東京とは全然違う景色だった。


「ぷぷっ。」


後ろから笑い声が聞こえて振り向く。

そこには口を押さえて笑ってる涼。


「小夜面白すぎ。小学生みたい。顔がキラキラだよ。」


堪えきれなくなったらしくお腹を抱えて笑い出す。


「なっ!しょうがないじゃんっ。初めてなんだもん。」


口を尖らせてぶつぶつ言う。