【完】絶対引力



「これで安心して会いに行けるよ。」


息を吐いて笑った。


「誰かに会いに行くの…?」


「うん…会えるかわかんないんだけど…。ある人を探しに行くの…。」


窓の外を見てそっと言った。

いつの間にかバスは発車していた。

会えるか分からない。

自分で言って切なくなった。


会いたいけど、会えるか分からない…。



「会えるか分からないって?場所わかんないの?」


少し哀しい顔をして首を傾げる涼。


「うん…。8年前に引っ越した人なの。私、気持ち悪いよね。」


こんなとこまで追いかけてくるなんて、と自嘲気味に笑った。

自分で気持ち悪いって思うもん…。