【完】絶対引力



「あ、ごめんね。つい…。連れ出しちゃダメだった?」


その言葉に頭を横に振る。

逆に連れ出してくれて良かったと思うくらいな私。


「そっかそっか、良かった。」


とにっこりと笑った。

今時こんなに勇敢な女の人いるんだ…。

ちょっと尊敬…。


「助かりました。ありがとうございました…。」


お礼を言って頭を下げる。

周りの人たちは私たちを奇怪な目で見て通り過ぎる。


「いーって。じゃあ、あたし行くね。時間無いんだ。」


そう言って、風のように去っていった。

いい人だったなー。

って、私も行かなきゃいけないんだ。