岬に向かった戦力は、東側の海岸に進路を変更していた。


ミツバチにとっては大移動なのだ。


結構離れた場所から向かった隊もある。


しかし、そこで疑問を感じたのが、西海岸のミツバチ達であった。

西海岸の「アグリ純」は思った。

「これは、ひょっとしたら陽動作戦なのではないのか?これで東側に動かしておいて、西海岸に本隊が来るんじゃないのか!?」


桜島の隊はあくまでも島を離れられない。
ここは死守すべき場所であるからだ。

むろん、速水もここから指示を出している。



では西側は?



アグリ純は、再び思った。

「エースストライカーが右サイドを上がって来る。逆の左サイドには別のストライカーが上がっているんだ。キーパーの指示でディフェンスをすべきなのだが、指示はない。独断でディフェンスをするか……
速水を信じるべきなのか……」



一通りアグリの独り言を聞いていたミツバチがアグリに耳打ちをする。

「隊長?我々は東側には呼ばれていませんが?」