張り詰めた空気を引き裂いたのは、隊長の一言だった。
「豚骨スープは脂っこくて俺の口には、合わないっていうことがわかったよ(笑)」
緊張感に変わって、白い空気があたりを包み込む。
不思議な光景だ。
およそ5センチほどもあり、威風堂々として威圧感すらある、ちょっと濁ったオレンジと黒をまとったスパオオのジェネシス。
1センチほどの体格、丸くて黄色と黒の色使いが可愛いミツバチ。
わずか5ミリで真っ黒の隊長。
白い空気を自らかき消す隊長である。
「今日、この場で戦争が終わったことを正式に宣言する!
見届けるのは、俺。
この隊長が責任を持って、この戦争を納めることになった。
で、このデカいのがスパオオのジェネシス。
んで、こっちの丸いのがミツバチの連合会長。
じゃ、会長から一言!」
突然 振られた会長。
「ジェネシスといったな………
長い間、お前達スパオオの迫害と対立の中で、我々は多くの仲間と友人(昆虫だけどね)を失ってきた。
しかし、過去を問うつもりはない。
これから、我々に危害がなければそれでいい。
それだけを約束して欲しいのだ。」
それを受けるジェネシス。
「もちろんです。
僕はそのためにここに来ました。
過去はどうあれ、今後は少しでも皆さんの仲間になれるように生活していきます。」


