淡路島を超えて、南紀白浜まであとわずか。
途中、休憩を挟んで6時間。
スパオオも、凄いスタミナとスピードですが、隊長も顔色一つ変えず(変わったら面白いと思ったのは、作者だけ?)ジェネシスを引っ張ってゆく。
ミツバチ達はもはやジェネシスにも知らん顔。
一昨日の宣言は、今日には浸透しており、ミツバチ達はいつもの働くミツバチモードになっています。
しかし、中には逃げようとする者や、威嚇しようとする者がいました。
「隊長さん?
僕達は本当に大丈夫でしょうか?」
「心配ない。
周りに危害を与えない限り、ただのデカいスズメバチだからな。
そのかわり、ミツバチ達に関わるな。テリトリーを守ってルールを犯すな。それで君達は守られる。」
「はい。仲間にもしっかり伝えます。」
昆虫社会は単純である。
基本的に本能的に生活しているので、余計な感情とは縁がない。
巣を守ろうとするのも本能的なものだし、よその巣を襲うのも本能的なものなのだ。
それぞれの種に、それぞれの本能がある。
大自然の中、いや、大都会の中でも生きているものの本能的なものなのだ。
善悪を問えるものでもない。
しかし社会生活を送っているものにはルールを守る義務がある。
生きていくためのルール
昆虫社会におけるルールは、種の保存を犯さないバランスを重視したルールなのだ。
今回、隊長が動いたのも、同じ虫同士での支配社会を防ぐためであった。


