「何が起こったんだ?」




瀬戸内海の蜂パニックを、福岡市内で耳にしたディレクター。



「やはり、始まったかっ!?静かだったのは大規模な行動の前に力を溜めていると思ったのだが、やはりなっ!」




自らも瀬戸内海へ向かうかたわら、目本テレビに報告と確認、取材班と中継班を瀬戸内海に送ることを要請。
地方局にも協力してもらうように依頼した。



スパオオを追って丸二年。



報道ディレクターとして花の咲くべき時がやってきたのである。




「あの先生も呼んで、あの特殊なスズメバチについて語ってもらわないと………。俺が奴らをやっつけてやる!」



二年の間に、スパオオの被害者も二千名を超えています。

死亡した方も二百名を超えています。

決して小さな数字ではありません。




ディレクターは電車の中で、瀬戸内海の方向を睨み付けながら、拳を握り締めるのであった。








作者注

さすがに、ディレクターの拳は確認出来た。
最近、ものもらいが出来て二重苦。
今年50歳の俺は、昨年は四十九。
年末に、流れてくるのは第九。






蛇足だが………。