その小吉が山口側の島にたどり着いたのは、その日の夕方のことであった。


海岸近くに見つけたミツバチに場所を確認すると、その地域の長に面会を申し出た。



やがて現れたのが、達也である。



「なる程、それは大変な事になりそうだな………。さて、ゆっくり休んでくれと言いたいところだが………。龍之介氏が心配しているだろう。君は早く帰りなさい。」



物腰の優しい達也の言葉に、深々と頭を下げて小吉はその場を後にした。

大事な用事をやり切った思いと、つまらないミスで遅くなったことの反省が、複雑に、小吉の中で入り混じっています。



「君の伝令は、しっかり僕に届いた。龍之介氏は、君を叱ることはないだろう。」



小吉は今回の最後の仕上げ、伝令の完了を龍之介に報告する為、帰路を急いだ。