そんなスパオオの変化に、動物的な勘と言うのか、野生の勘と言うのか、クビがかかった焦りと言うのか、ヌッキリのディレクターは、阿蘇のふもと一帯でのスズメバチによる人的被害の情報に注目していた。 「裕子君、阿蘇を見てきてくれ。」 ディレクターは、裕子君にそれだけを伝えると、自らは鹿児島へ行くことにした。 スズメバチの足取りを追うつもりなのである。