愛媛、伊予のとある山中




「うむ、確かに了解した。君は休んでから、気をつけて帰りなさい。松太郎殿に宜しく伝えてくれ。」




松太郎と同じく、この土地の総本家を任されている、この者。


龍之介


松太郎とほぼ同世代。
やはり熱い男である。


「さて、どうしたものか……。」


しかしながら、一度 よく考えてから行動するのが、この男の特徴でもあった。


「まずは、伝令を山口に行かさねばなるまい。そして……スパオオ………なんてヤツが生まれちまったんだ………。」



龍之介は、台風被害の他は至って平和なこの地域を任されてきた。

もちろん、それは古く先代が作り上げてきたものである。



「この戦いに命をかけるのか……しかし多くの民を危険にさらすわけには………」