顔に何か恥ずかしい事態が起こってるんじゃないかと心配になった私は、
一生懸命自分の手でペタペタ顔を触って確認していた。


「……マジ反則だし。
オレかなりヤバいかも……。

それよりもしかして…、
実莉ちゃん……。」

真君がボソボソ言った後で何か言いかけたけど、すぐにやめてしまった。


ちらっと、結城先輩が去った方を見た気がするけど。


「いや、なんでもないよ。
今回は遊びじゃなくてマジだから、慎重に攻めるよ!」


ますます意味のわからないことをいうので、私は首を傾げていた。


「さっ、実莉ちゃん!
早く買ってこよっ!」


そう言って真君は、先に歩き出し、おいでおいでしてきた。


その姿が、妙に子供っぽくてかわいらしかったから少し笑ってしまったけど、
置いておかれそうだったから、私は急いで後を追った。