氷の上のプリンセス


昼休み。


俺と、ショウはいつものように屋上に行く。



教室にいると、他のクラスや1、2年の女達が俺たちを見学しに来る。


そのたびに、自分たちのいる教室が動物園の檻の中のような気がして、
気分が悪い。


その点、この屋上は比較的人は少ない。


俺たちにとっては、ここにいる方が気が休まる。

今日は南風が少し強いが、気にしない。


「直人ぉ〜、教えろよ〜!」


フェンスを背もたれに座るショウが、ひつこく探ってくる。


「お前、ひつこい。」


「なんかいいことでもあったんだろ。」


「なんもねぇよ。むしろ気分悪いことだ。」


「ほら!!やっぱりなんかあったんだ!
ほら、お兄さんに話てみろ。
なんでも聞いてやるよ♪」


いつから、お兄さんになったんだよ…。


「……………。」


無言でいると、ショウは期待に胸を寄せてる感を体全体で表しながらこっちを見ている。


あぁ…めんどくせぇ…。


でも、こいつ言い出したらひつこいからなぁ。