「スーパーマンじゃないんだから、毎回5位以内って厳しくない?」


『そうだね。
努力はしなきゃだけど、入部するためだもん。



「私なんて、追試験ギリギリなのに。
部活して、毎日勉強する時間なんてあるの?」


『いちお、帰ってからはしてるからね。
どうにかなるよ(笑)』


「実莉は、頑張り屋さんだね♪」


『どういたしまして♪』

ブーブーブー
ブーブーブー


二人で笑っていると、池ちゃんの携帯からバイブ音が聞こえてきた。


池ちゃんが、電話にでる。


「実莉、ごめん!
今、親が寮の方に来ちゃってて、先帰ってていいかな?」


『いいよ!早く行ってあげな!』


「本当にごめんっ!!こんど何かおごるから、食べたいもの考えててね。」

慌ただしく、池ちゃんがさって行った。


さて、私も早く終わらせて帰ろうっと。


そう思ってリンクを見た途端、
急に振り付けの創作意欲がわいてきた。


私は、念のため更衣室に持ってきているスケート靴とってくる。


靴ひもをしっかり結んで、リンクの氷の上に立った。