「大丈夫ですかっ!!?」
近くにパトカーが止まり、警察官が降りてくる。
『私は大丈夫です!!
それより、お姉ちゃんがっっ!!!』
「そんなに揺らしちゃいけないっ!
出血がひどいな……。
意識は……、まだあるな。
今、救急隊が来るからそれまでがんばるんだ。」
警察官が、応急処置をしているのがわかったが、
私は、何も出来ず、お姉ちゃんの手をギュッと握りしめ、ただひたすらお姉ちゃんに呼びかけた。
「みの…り。」
『お姉ちゃんっ!!』
「苦しい…。
ダメかも……、ハァハァ。
実莉…、私と約束して……ハァ、ハァ。」
お姉ちゃんが、力なく話す苦しい表情を見て、
私は声も出せず、ただ頷いた。
「実莉は…、もっと本格的に…振付の勉強をしなさい、ハァハァ。
スケーターとしての私に比べられて、つらい思いをしてきたのは知ってる。
でもね…、あなたは…私の影なんかじゃ…ない。
私を…、輝かせて…くれる光なの…。
もっと、自信を持ちなさい……ハァ、ハァ。」
お姉ちゃんは、いつだって私の一番の理解者だ。
涙がいつの間にか、こぼれおちていた。
.

