「妹いたんだぁ。
お姉さん…お気の毒だったわね…。
オリンピック目前だったのに…。」


浜崎が、少し気を使いながら話してくれてるのがわかった。

『はい…。
すみません、気を使わせちゃって…。
私、姉のようにすごい選手にはなれませんが、精一杯サポートできるように頑張りたいのでお願いします。』


本当は、他の誰よりもお姉ちゃんのサポートをしたかった。


でも、今となってはもうできない。


毎日、泣いて過ごしたあの頃とは、もう違う。


自分自身で、たち上がるって、心に決めたんだ。

雨が降り止まないあの日、お姉ちゃんと最後の約束したんだから……。