「俺は、3年の結城直人(ユウキナオト)。よろしくな。」


そう言って、結城先輩は私の髪をクシャクシャっとなでた。


思わず、顔が赤らんでしまう。


だって、今まで、テレビでしか観てなかった人が、こんなに近くで、しかも、髪クシャクシャって!


『私、結城先輩知ってます。いつも、テレビで観てました。日本選手権連覇、凄いですね。』


結城先輩は、今の日本男子フィギュアの頂点にいる本当に凄い人。


そして、私の憧れの人。


『日本ではな……。』


そう言った結城先輩の顔は、少し暗くなった気がした。