氷の上のプリンセス


「冗談だ。」


そう言って先輩は、優しい顔で私の頭をとかすようになでた。

「髪…、はねてる。」


さっきの風のせいだ!


恥ずかしくなって、顔が赤くなるのを感じ、思わず手で自分の髪を直そうとした。


『あっ!』


とっさに手をあげたから、直してくれてる先輩の指に触れてしまった。


素早く手を引っ込める。


さっきよりも数倍恥ずかしくなって、
絶対に、顔が数倍赤くなったと思う。


ひゃあー!!!


『あっあの、えとっ、すみません。』



「くっ、本当お前見ててあきないな。
それより、こんな時間にどうした?」


『あっ、はい。
久しぶりに氷に触りたくて…。』


「氷に?」


『はい。
最近、部活休んでてなんだかリンクが恋しくなっちゃって……
って、私ちょっとおかしいですよね。』


ヤバい。


こんな変なこと言って、先輩におかしいやつだって思われるかもしれない…。