「実莉ぃ〜!!!!
今日こそは吐かせるわよ!
あんたと結城先輩、いったいどういう関係なのよ!?」


ホームルームが終わった途端、瞬く間にきなこが私の席まで突進してきた。


『びっくりした。
だから、何度も言ってるでしょう?
ただの先輩後輩だって。』


ここのところ毎日の恒例になりつつあるきなこの尋問。


「じゃあ、なんでいっつもお昼休みになったら結城先輩が来るのよ!?
イケメンオーラ出しまくりの王子が!!」


『それは…。
ほらっ、この間階段で落ちたからじゃない?
私鈍くさいから、心配なんじゃ……、』

「普通の先輩後輩が、そこまで心配しません!!
ましてや、あの硬派でクールな結城先輩が実莉のために来るなんて!!」


私が怪我をしてからというもの、結城先輩は、時々お昼休みに様子を見に来てくれた。


先輩が初めて私たちの教室に来た時は、他のクラスからも女の子が押し寄せて大変な騒ぎだった。


当然、きなこもびっくりしていて、結城先輩の放つオーラのせいか顔が赤らんでいた。