「あっ、結城く〜ん!!!」



語尾にハートマークいっぱいつきそうな寺尾先輩の声が、後ろから聞こえてきた。


びくっとなって後ろを向こうとしたけど、
上履きを履いてみっともない姿をこれ以上見られたくない一心でこらえる。


キャピキャピした声が聞こえてくる。


結城先輩の声は聞こえないけど、後ろに気配は感じていた。

きっと、結城先輩は私に気づいている。


でも、声をかけてきてくれないのを考えると、やっぱり嫌われてしまっているんだと実感する。


ヤバい。


また泣きそう。





私は、逃げるように早足でリンクへと向かって行った。