『ううん、いいや。他の探すよ。』


私は、ちょっと悔しかったけど、再び他のケーキに視線を戻す。


「いいよ、これあげる。
欲しかったんでしょ、はいっ♪」


真君がブルーベリーらしきケーキにフォークをズブリと刺し、私の口に持ってきた。


『何?これ?』


「だからぁ、あげる!
あ〜ん♪」


あ〜ん♪って!!!!!


ちょっと、周りが見てる…。


そんな恥ずかしいことできない。


『いいよ、真君食べなよ。』


「ううん。
実莉ちゃんに食べてもらうために取ったんだから!
ほらっ、食べて♪」

無理やり、口元にケーキを持ってこようとするから、私は真君の腕をとめようと掴んで抵抗する。


「なんで?
食べてよぉ」


わざと口をとがらせて、ワガママ坊やに化した真君は、なおも口に入れようとしてくる。


そんなことをしたって、私は折れない。