『実莉ぃー!
そろそろ出発するわよ。
早く降りてきなさい。』


1階のリビング階段の方から、お母さんが呼ぶ声が聞こえる。



「はぁーい。
待って、今行くよぉ。」

さぁ、今日からしばらくこの部屋もこの家もサヨナラかぁ…。


そう思ったらなんだか、とても切ないなぁ。


でも、今日から新しい生活が待っているんだもん!暗くなってる場合じゃない!


名残惜しい気もするこの家をあとにし、私は両親の待つワゴン車に乗り込んだ。