「ねー、もう行ける?
時間やばいんですけど。」

ベッドで堂々と座る律夏。
手なんか組んじゃって
・・・えらそうに。

「はいはい。
ね、そこの鞄取って。」

僕が指差すと
律夏は「よいしょ」と立ち上がり
机の隣にかけてある黒色の合皮鞄を掴んだ。

その間にいそいそとネクタイを締める。

ネクタイを締めるのはどうも苦手で
高校のときもうまく締められなかったから
いつもネクタイは取らずにいた。