わたしを愛して





「上谷龍です。途中からですが、よろしくお願いします」



クラスからは転入生に対する好奇心で溢れている。



『テメェらうるせーんだよ』



「柚、声に出てる」



『あっ…。ありがと桃矢』



…………



「じゃぁ上谷くんは華村の隣が空いてるから、そこに座ってくれ」



『えっ…?』



何言っちゃってんの、こいつ。


バカでしょ。



「上谷は昔この辺りに住んでいたそうだが、アメリカ帰りだから、みんな仲良くしろよ」



一人席がなくなったんだけど。


最悪だ今日。



「よろしくね。華村さん」



王子様スマイルで微笑まれた。



『こちらこそ…』



「じゃぁ今日はここまで」



起立ー気をつけー礼ー


そんな声が遠くに聞こえた。