命の力はすさまじいものだ。


授かったと耳にしただけでこうまでも

凛とした人間にさせてしまう。




物凄い特効性だ。




さっきまでの自分を汚いという思いも、

隠し事への執着心も塵みたく思え

そらの中の忌まわしい生き物にとどめを刺したようだ。





だって、自分がどうあれ

この子はこんなに愛おしくて

きれいな存在なんだ。






もしかして、

母も同じ気持ちだったのかもしれない。






そらの中には既に、

“この子の為なら何でもする”

という気持ちがずっしりと構えていた。


もっと強い自分になりたいという

願望さえ湧き出した。