華子は顔をあげ、祐樹に手を取られ、ゆっくり歩き始めた。





・・・私にはなんて素敵な支えがあるのだろう・・・・






涙を自分でぬぐい、“白石華子”をしゃんとさせ、

凄い基準で言いきったな・・・・と思ってへへっと笑い

祐樹の先を歩きながら言った。


「祐樹。



 私の祐樹への愛も・・・・・


  結構おっきいんですよ」



華子の滅多に言わないセリフと、振り返った時のあまりにかわいい無邪気な笑顔に

祐樹は一緒に暮らして23年も経っているのに

顔を真赤に染めてしまった。


「も・・・・・

 もちろんそうでなくては・・・・・・


 こまるぞ!」


あまりに顔が熱くなってしまい、華子に背を向け自分の顔をベシベシ叩き鼻息をふんっとならした。


祐樹が前を振り向くと華子はだいぶ先を歩いていた。


「お・・・・おいてくの?」


ぼそっと言い置いき

華子の後ろを追いかけた。