組んでいた足を、組みかえると話を聞こうとする体勢に変わった。



「残念ながら、この通り娘は死んだ。…それ以上何を望むのだというのだ」



すると、レイチェルは眉をひそめて口を開いた



『そうなんですよねぇ…本当に困りました。それにしても、人間の命とは本当に儚いものです』



そう告げるレイチェルは悲しくもあり、懐かしむようなそんな瞳をしていた。



『ワタクシ、百合亜様に用事があるっていいましたよね?』

「嗚呼」

『…だけど、この世界に彼女はもういない』



そんなレイチェルは、儚げに口走る。
彼の行動はどうにも窺いにくいものばかりだ。

変に笑ったかと思えば、今のような儚げの様子を見せる。

何者なのかも解り切ったことではないけど、心の何処かでそんなに悪い奴でもないのかもしれないと微かに感じた。



『おっと…、危うく私情を持ち込むところでした』