『じゃあ、毎日のコーデはちさとにお願いしようかな』
ちさとは顔と背景に花を咲かせて、『任せて!』と頷いてこの話題は終了すると思われた、その時。
沈黙が訪れた。
テーブルに肘をついていたちさとは、
いつの間にか椅子に深く腰をかけて、こちらに微笑みを向けている。
その微笑みにはさきほどまでの甘さはなく、
代わりに感じるのは、包容力とほんの少しの酸味。
そして、窓からの木漏れ日がそれを照らす。
ざわめきは別次元へと吸い込まれ、
代わりにさんさんという太陽が光を振りまく音が聞こえてきそうだ。
その、日常からほんの少し外れた場所へと隔離されたような柔らかさを前に、
僕はただ黙って目を合わせることしかできなかった。
周りは無彩色になり、まるで時が止まってしまったよう。
身動きが取れない僕の目の前に、ちさとの人差し指が、ゆっくりと近づいで来る。
『――でこつん♪』
間抜けな自作効果音と共に額を突かれ、
同時に、灰色と化していた周りの世界に色が戻ったようだった。
静寂に飲まれたざわめきが、再びその静寂を切り開く。
ちさとは顔と背景に花を咲かせて、『任せて!』と頷いてこの話題は終了すると思われた、その時。
沈黙が訪れた。
テーブルに肘をついていたちさとは、
いつの間にか椅子に深く腰をかけて、こちらに微笑みを向けている。
その微笑みにはさきほどまでの甘さはなく、
代わりに感じるのは、包容力とほんの少しの酸味。
そして、窓からの木漏れ日がそれを照らす。
ざわめきは別次元へと吸い込まれ、
代わりにさんさんという太陽が光を振りまく音が聞こえてきそうだ。
その、日常からほんの少し外れた場所へと隔離されたような柔らかさを前に、
僕はただ黙って目を合わせることしかできなかった。
周りは無彩色になり、まるで時が止まってしまったよう。
身動きが取れない僕の目の前に、ちさとの人差し指が、ゆっくりと近づいで来る。
『――でこつん♪』
間抜けな自作効果音と共に額を突かれ、
同時に、灰色と化していた周りの世界に色が戻ったようだった。
静寂に飲まれたざわめきが、再びその静寂を切り開く。


