そうして、朝ごはんを食べ支度をし終え、玄関へ向かった。


靴紐が緩んでいたので、好みの圧迫感に調整する。



「そーちゃん、お弁当忘れてる~~っ!!」



そこに、ちさとがお弁当を振り回しながら廊下を走ってきた。


中身がシェイクされていそうな勢いだ。



「あぁ、忘れてた。ごめんごめん」


「もぉっ!
ちさとがせっかく、愛情たぁ~~~~っぷりのお弁当作ったのにぃ!」



ぷくっと頬を膨らます。


僕はそれを無視し、お弁当を顔に近づけ匂いをかいだ。



「たまごやきだ」



そう言うと、ちさとはさっきの不機嫌さを吹き飛ばすように、表情をぱっと明るくした。



「そーちゃんの大好物!」


「そうだね。ありがと、ちさと」



ちさとの髪にキスをする。



いつもだったら朝からこんな事しないけど、好きだからね。たまごやきは。