台所の流し台を照らすための、小さな蛍光灯に光を灯す。



遅めに帰宅した僕は、夕飯の片付けは各自がするという我が家の決まりに則り、

自分とちさとの分のお皿に生ぬるい水を垂らす。



向こうのリビングには、扉を二枚と廊下一つを隔てても聞こえる母親の笑い声。


同時にテレビの声も盛り上がっている事から、お笑いかバラエティーあたりを見ているのだろう。



そんな母親は、倹約根性が半端ない。



家族との不必要な摩擦は避けたいので、家の主の方針に従い、天井の電気の方を消す。


すると小さな蛍光灯の光が懸命に闇を切り開こうと、細々とこの空間を照らす。



今日は、本当に長い一日だった。