進藤さんは何も悪くない。


これは僕の自業自得なのだから。



念のため言っておくが、僕がクラスでちさと以外に行動を共にする人がいないのも、

ちさとの独占欲が酷いからではない。



一年の時、野本君とその周辺の人たちに、僕が殴りかかってしまったからだ。



そのメンバーや現場に居合わせた人たちが運悪く二年も同じクラスに固まり、

当時の噂は瞬く間にこのクラスにも広まった。



まあ、今ではしょうがないと割り切っているけれど。




そうしてざわめきの内容の大半が、英語から日本語へとシフトした頃、

先生が終わりの合図を告げた。



先生の言葉に従い、各自自分の席へと吸い込まれるように戻ってゆく。



進藤さんは、帰り際にもう一度こちらに手を合わせてきたので、

僕は大きく首を横に振ってそれに応えた。




こんな日は、本の匂いの中に漂いたくなる。


次の時間だけ、図書室でサボってしまおうかな。




そんな事を考えながら、内職用のノートと外の景色を見比べて、残りの時間を過ごした。