非情なまでに痛快な朝だ。



梅雨も真ん中あたりで少しお休みしたい年頃なのか、

朝から刺すような日差しを容赦なく向けてくる。


そしてどこまでも突き抜けた夏の青空が、昨日の出来事を全てリセットする。



庭で髪を洗いっこしたこと。


ちさととキスをしたこと。


ちさとが発作を起こしてしまったこと。



たった半日経っただけなのに、既に夢の中の出来事に思えてしまう。



僕だって一応、姿かたちは健全な男子高生だ。


その、最初と真ん中の文章の出来事は、ほんの少しだけど、僕に癒しを与えた。


だから本当にほんの少しだけど、薄情な朝に対して何だかやるせない気持ちになった。



夜は僕らに幻想を与え、朝には全てリセットされる。


同じ大地を包む同一人物のはずなのに、及ぼす影響にどうしてこうも差があるのだろう。


ツンデレの概念ここに有り。