この世界で二度きみを殺す

……いや、

そんなの、今更言っても仕方が無い。



ちさとの愛情表現は異常だ。



そしてそれは、今に始まった事ではない。



「コピー機の場所聞いてただけなんだ。進藤さん、図書委員だから」



ちさとの目の色は変わらない。



「僕のこと、疑ってるの?
僕が好きなのは、今も昔もちさとだけだよ」



そう言って、学校の廊下だという事もお構いなしに、ちさとの肩を抱き寄せる。



―――しかし、なだめるのに必死で、すっかり忘れてしまっていた。


ちさとが"こう"なってしまった時は、いかなる手段も通用しない事を。