この世界で二度きみを殺す

「それでも僕は、進藤さんがうちのクラスにいてよかったなって思った。
この先も仲良く出来たらなって、思ってた」


「………」


「だから、――――…。
できれば、自主して欲しい。
じゃなきゃ僕も、いつか進藤さんの事、憎んでしまう」



いくら母親の敵討ちとはいえ。


いくら優しくしてくれたとはいえ。


だって僕は。僕は。ちさとだって。僕だって。


ちさとだって、ちさとだって。



ああそっか、生きてるんだもんな。


殺人罪じゃ、ないよな。何罪だ?


頭がぐるぐるする。みぞおち辺りがムカムカする。


吐きたいのを堪える。



切っ掛け、切っ掛け、そうか結局だめなのか。


切っ掛け言わなきゃ何が何だかわからなよな。


切っ掛け、切っ掛け、どうして進藤さんが犯人だと気付いたか。


気付くまでの道のりに立つ、始めの地点。切っ掛け、切っ掛け…


ああ頼む何も言わずに自首してくれ駄目か。


というかちさとの人見知りと外嫌いは周知の事実だろ!

なのにどうしてここに来てるのか不思議じゃないのか?!


それとも"後は君の良心に任せる"と気絶するちさとを抱かかえて退場。

自主してくれるかなぁ無理かなぁ。

ていうか僕はもうこの世から退場したいよなぁんて。いやマジマジ。

ああああー頭のネジが外れそうだてかもう外れてるよなーあー

ああああ――――…



……





ひとまず、よろめく足でちさとの元へ移動。


と、その時だった。