この世界で二度きみを殺す

「盗聴器の話じゃない。
あたしが犯人だって、いつ気付いたの」


「…………」



落ち着け、落ち着け、落ち着け僕。


ああ、酸欠だか貧血だかで気持ち悪くなってきた。


いつ気付いたなんて、そんなの言いたくないし、言えないよ。



「新聞調べてね、身元不明の女性の苗字が"進藤"だったから、もしかしてって」



切っ掛けに当たる"いつ"を省いて説明した。


進藤さんは眉を潜めた。そりゃそうか…。



「あと、事件当日は水曜日だった」



三日前の事だ。



「英語の授業で言ってたでしょ、"水曜日はやる事がたくさんあって、委員会に行けませんでした"って。アリバイが、なかったから。
キモイかもだけど、進藤さんの会話ちゃんとメモって、」


「そんなの嘘かもしんないじゃん」



鼻で笑われた。


だめだ、立つの辛くなってきた。頭痛い。



「うん。でも、ここにいるのが何よりの証拠だよね」



思いっきり舌打ちされて、睨まれた。



あー

あー


進藤さーん


うあ―――…