「進藤さんも、調べ物?」



「んにゃ?ちゃうちゃう、今月いっぱい受付の当番なのー」



そして「暇だよぅ」と呟く進藤さんは、どうやら図書委員らしい。


頭の尾を振りながら、たまに受付の方を気にする。



「それより、そーちんはどったの?
珍しい顔があったから気になったんだけどー」



珍しい顔て。


僕はもう少し、インテリっぽい振る舞いをした方がいいのだろうか。



「いや…、実はこないだの政経の試験散々でさ。
先生が単位欲しかったら新聞記事の感想書けって」


「そなの??
残念な結果だったんだねぇ」



否定も励ましもなく憐れまれた。


僕の頭を慰めるように"いい子いい子"する。


いや、この場合は"悪い子悪い子"か?



とりあえず長居は無用なので、話題を変えて、コピー機を使わせてもらえるように頼んだ。


そこで進藤さんは受付に呼ばれ、「じゃねっ」と切れよく片手を上げると、

委員の仕事へと戻っていった。